30
カタクリ
Katakuri
春の儚き者、カタクリ
春の陽射しに花開く野花。菜の花やタンポポといったお馴染の植物が野を彩る頃、林の中にも、この時期にしか見ることができない特別な植物が花を咲かせます。一見、普通の野花に見えますが、これらの植物は五月になると消えて無くなり、次の春まで、地表には何も残りません。これらの植物は、僅か二ヶ月程しか地表に姿を現さないことから、スプリングエフェメラルと呼ばれます。その代表とも言える植物が、カタクリです。 [5分45秒/字幕:日本語]
29
ヒキガエル
Toad
一匹のメスを取り合うガマ合戦
ヒキガエルの繁殖期は地方により大きな差がありますが、本州の平地に近い場所では、二月か、遅くとも三月の初め頃までという、冬のさなかです。森から出てきたメスを見つけたオスは、我先にとメスの背中にしがみつきますが、ヒキガエルは、発生する個体に占めるメスの割合が極端に少ないため、多くのオスが一匹のメスを取り合う形になり、時には折り重なって団子状になるほどにオスが殺到します。いわゆる、ガマ合戦です。 [6分35秒/字幕:日本語]
28
ヒドリガモ
Wigeon
淡水ガモと潜水ガモの中間的な存在
ヒドリガモは川や湖、池や湿地に棲息する淡水ガモですが、同じ淡水ガモのマガモやコガモなどと比べると、少し変わった行動を取ります。例えば、淡水ガモが陸上で食べ物を探すのは基本的には夜の間ですが、ヒドリガモは日中でも岸に上がり、植物の葉や根を食べることがあります。またマガモ属のカモたちは、ほとんどが水には潜りませんが、ヒドリガモは完全に潜水することがあります。 [6分37秒/字幕:日本語]
27
ソメイヨシノ
Prunus yedoensis
日本の花の代名詞とも呼べる、桜
ソメイヨシノは江戸時代に、エドヒガンとオオシマザクラを人の手で交配させて作られた品種です。エドヒガン、オオシマザクラ両方の特長がよく現れており、山沿いから海際まで様々な環境に適応するほか、成長が早く、かつ長寿です。全国至る所に植えられているため、ソメイヨシノの環境に対する反応は、自然を図る格好のセンサーとなります。特に、南から北へと、春の訪れを告げるように列島を縦断する桜前線は馴染み深くあります。[6分17秒/字幕:日本語]
26
アカテガニ
Red Claws Crab
大潮の日の放仔
アカテガニは海に近い森に暮らしています。七月から八月にかけての大潮の日に群れで川を目指し、川岸に辿り着くと、満ち潮で作られたさざ波を慎重に見極めて、川に入って身を揺らします。おなかに抱えている卵から孵化した幼生を海に届けているのですが、森の中で暮らしながら、どうやって大潮の日を知るのかというのは最大の謎です。[7分17秒/字幕:日本語]
25
ボウズハゼ
Rockclimbing Goby
激しい滝の流れに逆らって岩を登る
ボウズハゼは胸びれの付け根と口を使って、オーバーハングした岩でも器用に登っていきます。いわゆる「滝登り」を行う魚は何種か知られていますが、ボウズハゼは時に、乾いた岩の上を登ることさえあります。なぜボウズハゼは、滝や水のない岩を越えてまでして、川上を目指すのでしょうか。[7分22秒/字幕:日本語]
24
ヒバリ
Skylark
息を吸いながら啼き続ける
ヒバリは、地域によっては、桜前線や蝉の鳴き始めのように、季節の移ろいを示す生物季節観測の対象とされています。田の畦や河川敷の草地に巣を作り、そこから勢いよく舞い上がって、高い空の上でよく響く声で長く啼きますが、なぜこれほど長く滞空しながら啼き続けることができるのかは、大きな謎です。[5分16秒/字幕:日本語]
23
タンポポ
Dandelion
綿毛という驚異的メカニズム
タンポポの綿毛はかなりの距離を飛ぶことができます。綿毛はその隙間から余分な力を上に逃すため、強い上昇気流にも翻弄されることなく安定して飛び続けることができるからです。高次倍数体のタンポポの種は二倍体の半分ほどの重さしか無く、より遠くまで飛ぶことができるようになっていて、綿毛というメカニズムを種によって見事に使い分けています。[6分37秒/字幕:日本語]
22
ハマボウ
Hibiscus Hamabo
風圧センサが台風を感知する
ハマボウはハイビスカスの仲間であり、花の美しさから園芸品種としても人気の高い植物です。一説によるとハマボウの萼は、その付け根に一種の風圧センサが備わっており、台風のような強風が吹くと実を切り離し、海流に委ねると考えられています。台風を待つために開花の順序もずらしているとすれば、そのメカニズムの巧妙さに感心せざるを得ません。[5分26秒/字幕:日本語,英語]
21
ウスバキトンボ
Wandering Glider
上昇気流を感知する
熱帯地方が原産のウスバキトンボは、紀伊半島や東日本で夏の終わりに見かけるように、海を渡るほどに長距離を飛翔します。そのため、ウスバキトンボの後ろ羽の付け根には特別なセンサが備わっており上昇気流を感知すると羽ばたきを自動的に停止し、エネルギーの節約を行っています。[6分02秒/字幕:日本語,英語]
20
バンドウイルカ
Bottlenose Dolphin
音や超音波で会話する
イルカは感覚器官が良く発達しており、水中でも高い視力を得ている他、超音波を発してその反射音で周囲の状況を知るエコロケーションを行います。また、超音波だけでなく、クリック音と呼ばれる短い音を頻繁に発するが、これは個体間のコミュニケーションを行う、一種の言語だと考えられています。[5分41秒/字幕:日本語,英語]
19
ウマ
Horse
視覚や聴覚以上に嗅覚が発達
ウマの頭部は非常に大きく、目、耳、鼻ともに良く発達しています。特に目は哺乳類でも最大クラスの大きさがあり、網膜の特殊な形状により、足元を見る時と遠くを見るときのそれぞれで高い視力が得られる構造を持っています。そして、こういった能力の陰に隠れて見落とされがちですが、ウマの嗅覚は、更に優れた能力を発揮しているのです。[5分06秒/字幕:日本語,英語]
18
ムクドリ
Starling
抜群のスピード調整と距離感覚
ムクドリは季節を問わず普通に観察できる鳥です。ねぐらで休む場所が個体ごとに決まっていて、ねぐらの近くや群れになって飛ぶ時は自分の周囲にいる鳥たちと行動を合わせるという習性があります。例えば一羽が敵を察知して飛行方向を変えると、回りの鳥たちも同じように回避し、空間での互いの位置関係を保ち、全体で一つの生き物のように振る舞うのです。[5分11秒/字幕:日本語,英語]
17
カサガイ
Limpet
広い海中で必ず正確に戻ってくる
カサガイは小笠原諸島の中でも限られた地域にしか生息していない大型の貝で、岩の表面に繁茂した藻を掻き落とすようにして摂食しますが、餌となる藻を求めて、時には潮の中にも潜り込みます。ところが、どれほど移動してもまた同じ場所に戻ってくるという不思議な習性を持っています。いったいカサガイは、どうやって元の場所に戻ってこられるのでしょうか。[5分47秒/字幕:日本語,英語]
16
ザゼンソウ
Skunk Cabbage
雪を溶かし受粉を制御する
ザゼンソウは開花する時に発熱することで有名です。まだ雪深い時期でも自ら発熱することで回りの雪を溶かして顔を覗かせるのです。発熱する細胞にはサーモスタットのような温度センサがあり、発熱量を一定に保つ働きがあります。そのセンシング能力はプラスマイナス0.01度という驚異的な精度なのです。[5分40秒/字幕:日本語,英語]
15
オニバス
Gorgon Plant
日本古来の自生種
オニバスはエキゾチックな形態から外来の植物と思われがちですが、氷河時代以前から日本に定着している自生種です。秋の訪れと共に花を咲かせるますが、多くの花は水面下でつぼみのような状態のまま留まり、つぼみの中で自家受粉を行います。幾つかのつぼみは、葉を破って水上で開花しますが、なぜこのように咲き分けるのかは全くの謎で、定説はありません。[6分00秒/字幕:日本語,英語]
14
ネコ
Cat
聴覚は10万KHzを感知
もともと夜行性の動物である猫は、夜目は利きますが視力はそれほど高くなく、遠くで止まっているものが何か瞬時に見分けるのは苦手です。 何かを見つけた猫がじっとその方向を見つめるのは、その動きを確かめるためです。猫は視力よりも聴覚が発達しており、人間には聞こえない十万キロヘルツ程度の高周波でも、難なく聞き分けることができるのです。[6分15秒/字幕:日本語,英語]
13
ゾウ
Elephant
驚異的な全身センサ
ゾウは、その外見を特徴づける部分に敏感なセンサを持っています。嗅覚は鋭く、食べられる草か否かを臭いで嗅ぎ分ける他、ミネラル補給のために塩分を探す時も、鼻先に備わった一種の味覚センサを駆使します。耳も驚異的な能力を持っていますが、目立って見えるのは耳たぶの部分であり、その大小は、聴覚との直接的な関係はありません。[6分01秒/字幕:日本語,英語]
12
ゲンジボタル
Firefly
秘密は点滅する光にあり
よく知られているように、ゲンジボタルの発光間隔は東日本では四秒、西日本では二秒です。その境界はフォッサマグナにほぼ等しく、その付近では発光間隔が三秒という観察例もあります。同じ種で発光間隔が異なるのはなぜなのでしょう。そもそも、ホタルはなぜ光るのかも定説はありません。メスを引きつけるためとも言われますが、ホタルは幼虫の時から発光するのです。[4分37秒/字幕:日本語,英語]
11
アオリイカ
Bigfin Reefsquid
驚異の視覚を持つ海のハンター
イカの仲間は体の大きさに比べて目が大きく、海に生きる生物としては例外的に優れた視覚を持っています。特に、波長四百ナノメートル付近の青に近い緑色の光に対する感度が強く、深海に差し込む僅かな光でも獲物を見つけることができるのです。また無脊椎動物としては大きな神経節も有しており、陸上における猛禽類のような優れたハンターなのです。[5分14秒/字幕:日本語,英語]
10
ジョロウグモ
Silk Spider
全身に高感度センサを装備!
クモの感覚器官は脚の先に生えた細かい毛にあります。この毛が空気の振動を捕らえ獲物となる虫の羽音を察知します。つまりクモは優れた聴覚で獲物を見つけるのです。獲物が巣のどこに掛かったかは、脚の節々にある琴状器官という特別なセンサで感知しますが、この器官は音を聞き分ける聴覚の機能と同時に、身体全体の歪みの情報をも判別しているのです。[5分21秒/字幕:日本語,英語]
09
クロイワゼミ
Muda Kuroiwae
正確な体内時計で子孫を残す
クロイワゼミは体長は二センチと非常に小さく、全身緑色をした極めて珍しいセミです。午後三時を過ぎた頃から散発的に鳴き始めます。しかし、一斉に鳴き始める時刻が決まって午後七時十五分頃というのは何故なのでしょうか。その時刻を計るセンサはどこにあるのか、まだ解明の手がかりすらありません。[5分47秒/字幕:日本語,英語]
08
マングローブ
Mangrove
生きる場所を関知できる超能力
マングローブの中に自生する植物はおよそ百種類ほどあることが知られていますが、数の上ではオヒルギやメヒルギといったヒルギ科の植物が圧倒的です。そもそも、このヒルギ科の植物が持つ不思議な能力が無ければ、マングローブが形作られることは無かったと言えるでしょう。[6分11秒/字幕:日本語,英語]
07
ダイトウオオコウモリ
Flying Fox
絶海の孤島に生きる驚異の能力
南大東島に棲息するオオコウモリの目は、ネコやクマと同じように顔の前面に並び、物を立体的に見ることができるようになっています。その視神経は、視野の右側は左の脳、左側は右の脳で情報処理する構造になっているため、奥行きを素早く探知します。このような複雑な視神経を有するのは、霊長類とヒヨケザル、そしてオオコウモリだけなのです。[6分19秒/字幕:日本語,英語]
06
ナキウサギ
Pika
森で生き残った生きた化石の謎
冬眠しないエゾナキウサギは、冬の栄養不足を補うため盲腸糞をイソツツジの葉と共に貯めます。イソツツジには、樟脳に似た揮発成分が含まれており、この作用で糞に黴が発生しないのです。厳しい自然環境の中で生き延びるため、寒冷地に育つ植物には有毒成分を持つものが少なくないのですが、その一つをナキウサギは巧みに利用しているのです。[5分11秒/字幕:日本語,英語]
05
コハクチョウ
Tundra Swan
渡り鳥の謎。方位判別の超能力
コハクチョウはいったいどのようにして南北を知るのでしょうか。根強い仮説は体内磁石説です。この仮説には異論も多いのですが、近年、そのメカニズムを分子レベルで繙く説が登場し再び注目を集めています。それによれば、鳥の目の間には磁石のような細胞があり、目に青い光を受けることでそれを活性化させて方位を判別するというのです。[5分25秒/字幕:日本語,英語]
04
ミツバチ
Bee
驚異的な紫外線感知能力の秘密
花の蜜を吸って暮らしている昆虫の中には、紫外線を感知できる種が少なくありません。大多数のガ、そして、シロチョウ科のチョウなどが知られていますが、最も紫外線を活用している昆虫は、ミツバチと言えるでしょう。実際にミツバチが紫外線を何色として見ているのかは不明ですが、際だって違う色に見えていることは間違いありません。[4分59秒/字幕:日本語,英語]
03
アゲハチョウ
Swallowtail
目指す植物を探知する超嗅覚
人を魅了して止まない、アゲハチョウの美しい羽模様。この羽模様は、オスがメスを探す時にも重要な役割を果たしています。黒と黄色の線を交互に描いた紙を用意し林の切れ目で待つと、ナミアゲハのオスが寄ってきます。線の幅、紙の大きさが、実際の蝶と似ている方がより強くオスを惹きつけます。つまり視覚でメスを探しているのです。[5分05秒/字幕:日本語,英語]
02
コノハズク
Scops Owl
超視覚!真っ暗闇で昆虫を探知
南西諸島から奄美群島に棲息する小型のフクロウ、リュウキュウコノハズク。コノハズクも含めたフクロウ類は、光を感じ取る視細胞の密度が、人間の百倍近くあります。それだけ僅かな光でも感じ取ることが出来ますが、驚異的なのはむしろ聴覚なのです。コノハズクの耳は僅かに左右非対称の位置にあり、微かな音のする方向だけでなく距離も測ることができます。[4分04秒/字幕:日本語,英語]